真実を求める者に捧ぐ

アイルトン・セナを倒すべくF1へ…セナが亡くなり…芸能界や中国留学…海外に会社設立、倒産…マラソンに本気で…現在は…山と海が近い地にて仕事をしながら、トレイルランやシュノーケリングをして遊んでいます(^^)

野球素人が20代前半から野球始めて2年でメジャーリーガー

世の中には天才という者がいる。

 

持って生まれた才能…ギフトとも呼ばれる。

 

だが、その能力もうまく引き出して育てなければならない。

 

環境は大事。

 

自分を取り巻く人達との信頼や情熱…なによりも、自身の信念・献身・鍛錬・自信など多くの力を注がなければならない。

 

隠れた才能に誰も気づいていなければ…何も変わらない。

 

それどころか、悪くなるだろう。

 

本来、自分がするべきでないことをやると失敗する。

 

当然だ!

 

うまくいかないのはうまくいかないのが正解だから…

 

ホンダの創設者、本田宗一郎さんが言っていました。

「自分の得意分野だけやる。金のことはわからないから経営は藤沢(共同経営者)に任せる」と言って自分のハンコを渡していた。

 

 

 

 

これから紹介したいのは唯一の才能を赤の他人によって見出された男の物語。

 

ロン・ルフロア

 

彼は少年時代は窃盗を繰り返した。

 

貧しさ…またもや、誰もがありえる理由によって…

 

何件も繰り返すものだから、警察もマークしようとしたが、ロンの足があまりに速く、捕まえることはもちろん、素性もつかめなかった。

 

ある日、ロンは仲間達と共謀して、銃を持ち商店に強盗に入った。

 

成功して店の金は奪えたが、仲間が裏切り警察に密告した。

 

そして…家にいるところを捕らえられた。

 

その時ロンは

 

「俺は2度と人を信じない」

 

と固く誓った。

 

刑務所に入ったのは21歳の時。

5年以上の実刑

 

アメリカの刑務所では日本よりもレクリエーションの時間が多い。

 

当時も野球が盛んで、ロンもチームに入れられていた。

 

ロンが入ったチームはとにかくすごかった。

ピッチャーは麻薬の売人。キャッチャーは車上荒らし、センターは強盗犯…犯罪者だらけだ。受刑者ばかりなのだから当然なのだが。

 

ロンはバットの持ち方もわからない状態で、なんとか当てて内野安打ばかりだった。

 

ある日、試合が終わった後に観覧席で見ていた中年男性にロンは

 

「おっさん!俺けっこう上手いだろ!」と言った。

 

その中年男性は

「ああ!お前ならメジャーリーガーになれるぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日からロンはその男につきまとわれた。

 

 

 

 

 

 

 

連日連日、食事中やレクリエーションの時間にことあるごとに話しかけてきた。

 

「お前には野球の才能がある。俺にコーチさせてくれ!」

 

ロンは仲間に裏切られて刑務所に入った。

ロンは人を信用しないと誓っていた。

 

だから、その男の言葉に耳を貸さなかった。

 

だが、あまりにもしつこくつきまとわれたのでついに怒った!

 

ロン「ほっといてくれ!なんだって俺にそんなにつきまとうんだ!」

 

男「……俺はメジャーリーガーを目指していたんだよ」

 

ロン「…」

 

男「………お前なら本当にメジャーリーガーになれるんだ…」

 

その男の名はジミー・キャララ。

マイナーリーガーだったが、怪我をして野球を引退。

その後は生活が荒れ、犯罪に手を染めた。ロンより長く収監されていた。

 

そして…ロンのプレイを見てキャララには思うところがあったのだろう。

 

キャララの情熱にロンは根負けしてその日からキャララの指導を受けた。

 

キャララが最も驚いたのがロンの足の速さだった。

 

そして、キャララは時間をみつけては野球チームに電話をかけまくった。

「すごいやつがいるんだ。1度スカウトに見に来させてくれ!」

 

刑務所からはコレクトコールなので何度もかけられた方はたまったものじゃない。

デトロイト・タイガースは刑務所からの電話代が月に1万ドル以上になっていた。

当時で1万は高額も高額。

どれだけ電話したんだキャララ(笑)

 

経理の人間がこれ以上はたまらんと思い、監督に講演という形で刑務所に行かせた。

 

タイガースの監督は暴れん坊の異名を持つビリー・マーティン。

日本でいうところの星野さんか金田さんといったところか。

 

講演を終えて帰ろうとした時に

ロンがマーティンの前に立ち

「出所したら俺をテストして下さい!」

 

ビリーは思った。

「やれやれ、またか…」

 

適当に断りの返事をしようと思ったその時…

 

異変に気づいた。

 

自分の周りを体格のいい受刑者の男達が取り囲んでいた。

 

「…まずい状況だ」

 

男達は

「おいビリー!テストさせてやってくれよー!」

「こいつは野球上手いんだ」

 

ビリー「…ああわかった。いつでもタイガー・スタジアムに来てくれ」

 

…と言ってしまった。

 

(笑)

 

若い頃にボクサーを目指していた鉄拳で、バーやクラブで何度も乱闘騒ぎを起こし、主力投手を殴ったりした暴れん坊が怖がったのだから、相当なものだったのだろう。

 

だが、電話をはじめ、ビリーを強面の受刑者で囲んだり全てキャララの作戦だった。

 

 

そして、ロンは1日だけの外出許可を取りテストを受けた。

ビリーは約束を守ったのだ。

 

打撃テストは及第点。

だが、最も驚いたのがその足の速さだった。

 

ベースランニングではタイガースの誰よりも速いタイムだった。

 

入団テストは合格。当日に契約を交わした。

出所後すぐにマイナーデビューするも2年目の2Aではピッチャーの変化球に戸惑い全く対応できなかった。

 

 

*メジャーリーグでは

1A→2A→3A→メジャー

という段階がある。

日本では

育成→三軍→二軍→一軍

といったところ。

 

それはそうだ。

 

刑務所の野球ではストレートしか見たことがなかったのだから。

 

挫折を感じていた試合の打席中に突然…

 

「何をそんなに振り回しているんだー!!」

 

観客席から大声で叫ばれた。

 

振り返るとそこには出所したキャララの姿が…

 

ロンは駆け寄った。

 

キャララ「お前の武器はその足だろう!こつこつ当てて、かき回してやれ」

 

その言葉を聞いたロンはバットを短く持ちミートを心がけて打ちまくった。

 

成績は伸び、すぐに3Aに上がり…そして間もなく…早朝まだ寝ているところを叩き起こされ、デトロイト行きのチケットを渡された。

 

メジャーリーガーに昇格だ!

 

20前半で野球始めて、マイナー入団して2年目でメジャーリーガー。

 

日本では考えられない。

 

メジャーリーガーとして3年目にはオールスターに選出。

その後2度の盗塁王

 

メジャーリーガー9年目に引退。

 

彼の言葉で印象深いのは

 

「友を信じ、自分を信じ、そして未来を信じること。

野球が俺を変えてくれた」

 

 

本当に素晴らしいシンデレラストーリー。

 

ロンの才能や努力はもちろん。

 

キャララをはじめとした周囲の人達の支えがあったからこその成功。

 

これからもこんな世の中であって欲しい。

 

 

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