マイク・タイソン

カス・ダマトが最も熱心に教えてくれたのはボクシングの技術以上に心の問題だった。

リングに上がる時、ボクサーは誰でも恐怖で凍り付いてしまう。

その恐怖をどう克服するか。

トレーニングしかない。

人は熱心に励む事によって、恐怖を友人にする事ができる。

どんなに強かろうが、トレーニングしたことのない奴はクズみたいなものだ。

いかに恐ろしい相手の前でも勇気を失わずにいられるのはトレーニングの力だ。

恐怖は火と同じ。

人々を焼き尽くして駄目にすることもあるし、素晴らしいことを成し遂げるエネルギーにもなる。

人間にとって何が1番大切か。

力ではない。

姿でもない。

決心と人格。

これだよ…。

裏切りから身を守るには全ての決定を自分自身で下す事だ。

たとえ、それが間違っていたとしても…

俺は何も持たずに生まれてきた。

そして、何も持たずに死ぬだろう。

悲劇を見たけりゃ、まずヒーローを舞台に上げるってな。

皆、悲劇が大好きなんだよ。

嫉妬のせいでね。

幸せな人生を歩んでいる人間を見ると、そこに悲劇を起こしたくなる。

あんたらみたいなレポーターがまずそうじゃないか。

カス・ダマトはよく言ってたよ。

世の中は悪い奴を見たがっているってな。

皆、マイク・タイソンの事なんてどうだっていいのさ。

それが現実だよ。

俺の事なんて「暴行事件くらいしそうな奴じゃないか」って思っているんだ。

皆は俺を哀れな奴と言うけれど、そいつは侮辱だぜ。

俺は同情なんか軽蔑する。

全ては幻だ…。

真実は死だけだ。

俺の人生なんて全くの無駄だ。

これまで30年生きてきて幸せだったことなんか1度もなかった。

俺には本当のマイクが分かっている。

俺はただの人間さ。

ここに存在しているだけだ。

何が起ころうとパンチで道を切り開いていく。

それだけさ。

生き延びてる。

機能している。

大事なのはそれだけさ。

キツくない仕事なんかあるかい？

あんた達記者だって記事が書けなきゃ笑い者になる。

世間は厳しいものさ。

しかも冷たいときてる。

思うに福祉ってのは最悪だな。

薬より酷い中毒になっちまう。

頼っちまうんだ。

タダで何かを貰うのがどれだけ楽か…

そんな事をしていればすぐにモラルも倫理も仕事に対する価値観も失くしちまう。

福祉ってのはそういうもんだよ。

俺って男はボクシングしかねえんだ。

なぜ日本人は俺をアメリカンドリームだなんて言うんだよ！

何も分かっちゃいない。

俺はアメリカの悪夢なんだ。

本当の自由は何も持たないことなんじゃないかな。

1セントさえ持ってなかった頃の方が、もっともっと自由だった。

決心と自己管理。

それがあれば成功できるさ。

12歳の頃から偽りの人生を送ってきた。

人生の目的は全てを手に入れる事だと思ってきたが、年をとると全てを失うのが人生だと知った。

最愛の人も、富も失う。

やっとこの真理が分かった。

趣味で飼っている鳩は俺の兄弟みたいなもんさ。

友達でもある。

どんな理由であれ、俺に金をせがんだり、俺を倒そうとしたり、傷つけたりする心配をしなくて済むからな。

Ever Since the World  Began.
The Measure of a Man.
Man Against  the World.
Get Myself Back.

never say can't！！
letus begin.
take a stand.

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